ミステリーツアー vel.2 皇居周りにランドマークを見に行く
公共の場に 恒久設置される作品とそれらがおかれている環境を考える旅。
東京の中心、皇居の周りには、様々なモニュメントや公共空間がある。
最近設置された物やたまたまみつけたものを手始めに回ってみることにします。
新たなる発見の旅となることを望みますが、後日、公共における表現物のあり方について、ディスカッションして行ければと思います。
参考までに、いくつかの論点を挙げておきます。
もちろん、新たな問題提起をしていただくことも結構です。
・公共の場に設置される作品の選定のされ方について。
Ex.選定する側の専門性の問題など。
・建築との関わり方について。
Ex.設置場所をめぐる全体の中で、建築サイドとの執りあいの問題など。
・公的な場での表現物の包含しうる危険性とその回避の仕方について。
Ex.柵のことなども含めて。
・作品の経年変化、メンテナンスについて。
Ex.制作者の立場から表現物に対し変化を受け入れるのか、初期の状態を維持してゆくのかという事と、所有者側の経済の問題など。
旅の理由
職域として、創造の場の広がりと可能性について、例えば、ランドスケープから建築や都市計画まで、作品が置かれる環境すべてを含めて提案してゆくことも可能性としてはあるわけだと思う。ただし、それ相応の学びや経験、例えば、建築や都市、地理、気象などの自然科学から歴史や哲学など、必要なことは言うまでもないのだが、美術の中での方法にとらわれることなく、独自の地平を切り開いてゆく為には、あらゆる手段で必要な知を磨いて行くことが求められる。これは公共的なコミッションワークのみならず、多様化が普遍的にあらゆる分野で散見される昨今、新しい表現を生み出してゆくには、同じように横断的な知識の獲得が不可欠に思う。アートフェアーに出品を依頼されることが目標だなどと考えるのならば突出した存在には成れないだろう。
ここまで言っておきながら、矛盾するように思われるかもしれないが、私は、この様な姿勢がすべてであるべきだと思っているわけでもない。時代の新旧にかかわらずひとつの方法や領域に没入してゆく事もまた、あるわけだとも思う。
今年のツアーは、自分も含め、知の研鑽のために、観ておかねばとの思いからこのような旅を考えた。
googleのmy mapに今回のコースを落とし込みました。参考にしてください。
https://drive.google.com/open?id=1s2kNxGGAH50HMlqI7-0b5bNlmQk&usp=sharing
集合場所 2017年5月2日火曜日13時
飯田橋駅より300m程 地下鉄B2a出口
●東京理科大学近代科学資料館 平戸貢児モニュメント前集合 ここから始まります。
・平戸貢児 《坊ちゃんの塔》 2016 ステンレススティール
※科学資料館見学
https://www.tus.ac.jp/info/setubi/museum/index.html
徒歩 にて駅に戻り、有楽町線飯田橋より 3駅目の永田町下車 9a出口
●東京ガーデンテラス紀尾井町 + ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町
http://www.tgt-kioicho.jp/about/art.html
・大巻 伸嗣 《Echoes Infinity ~Immortal Flowers~》
・青木 野枝 《空玉/紀尾井町》
・坪田 昌之 《the wind of self》
・名和 晃平 《White Deer》
・隠崎 麗奈 《ヨヨ》
・竹田 康宏 《息吹く朝》
・ジュリアン・ワイルド 《System No. 31》
・西野 康造 《空の記憶 2016》
・細井 篤 ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町 ホテルエントランスと駐車場入り口
銀座線赤坂見附より 2駅目の虎ノ門下車 9番出口
徒歩 300m程
●飯野ビルディング 霞ヶ関 千代田区内幸町二丁目1番1号
http://www.iino.co.jp/iinobuilding/art/index.html
・レアンドロ・エルリッヒ 《Cloud》 2011 ステンレス、ガラス、LED(防風スクリーン兼用)
・小谷 元彦 《New Born “Halo”(hhs)》 2011 アルミニウム、ステンレス、鉄
・山本 一弥 《spiral point》 2011 FRP、鉄
・渋谷 清道 《12ヶ月の精霊達が集うかがり火》 2011 アルミニウム、ステンレス、ステンレスワイヤー、ガラス
・平田 五郎 《空を見るために》 2014御影石(旧飯野ビル柱)、鉄、ガラス
徒歩 1000m程
●楠木正成騎馬像 千代田区皇居外苑1−1 皇居外苑
http://www.sumitomo.gr.jp/related/masterpiece/05/index.html
原型は木彫を使用する時代だったため、同校の木彫科教授であった高村光雲が主任となり、指揮をとった。翌年、東京美術学校は後に製作担当者となる3人を次々と教師として採用。高村光雲は頭部を担当し、山田鬼斎と石川光明が身体・甲冑部などを、後藤貞行が馬の製作を担当した。 明治29年(1896年)9月、銅像が完成。明治33年(1900年)、台座の完成
徒歩 500m
●丸の内ストリートギャラリー 丸の内仲通り(700m程)
http://www.marunouchi.com/pdf/art_map.pdf
・ジュリアーノ・バンジー 《追憶》 2004 花崗岩
・草間 彌生 《われは南瓜》 2013 黒御影石
・三沢 厚彦 《Animal 2015-08B》《Animal 2012-01B》《Bird 2009-01B3》 ブロンズ
・三木 俊治 《行列 ‐ 並列》 2015 ブロンズ
・呉 炫三(ウー アーサン) 《ライオンと人間》 1991 観音石
・フローリアーノ・ボディーニ 《ある女性の不安な伝記》 1975 ブロンズ
・網屋 千秋 《はばたく》 1972 ブロンズ
・バーナード・メドウズ 《恋人たち》 1981 ブロンズ
・エミリオ・グレコ 《うずくまる女 No.3》 1971 ブロンズ
・アギュスタン・カルデナス 《拡散する水》 1977 カラーラ産白大理石
・安田 侃 《天空》 2006 カラーラ産白大理石
・流 政之 《波かぐら》 1974 黒御影石
徒歩 300m
●大手町パークビルディング (外周500m)
http://www.rbayakyu.jp/rbay-kodawari/item/3098-2017-02-14-07-03-57
・野老 朝雄 《TOWER OF CONNECT》 2017 コールテン鋼
徒歩 200m程
●大手町ファイナンシャルシティ グランキューブ
グランキューブには4名のアーティストによるアートワークが設置されています。テーマは「Urban Springs ‒都会の泉‒」です。
水は生命の源泉です。新鮮で清浄な水が湧く泉に人々が集まるように、グランキューブにも世界各地から人々が集まり新しいコミュニケーション、新しい発想、新しい活動が生まれます。アートはそうしたグランキューブの湧き出でるエネルギーを象徴します。
泉はまた人々が安らぐ場所でもあります。大型ビルが林立する大手町のなかにあってグランキューブのアートが働く人々にも訪れる人々にも賑わいと安らぎを生み出すことを願うものです。
こうしたアートを実現するために世界各地から現代美術の第一人者が4名参加いたしました。 周辺の環境、建築と調和したアートが皆様に末長く愛されることを願ってやみません。 アートディレクター 清水敏男(TOSHIO SHIMIZU ART OFFICE 発行のパンフレットより)
・ジャン=ミッシェル・オトニエル 《黒い鏡面の瞑想》 2016 ガラス、ステンレスワイヤー
・リチャード・ディーコン 《木立ち》 2015 ステンレススティール
・ダニエル・ビュレンヌ 《大ゲートと床全面:サイトスペシフィック作品 東京2015/2016》 2013 ステンレススチール、アルミパネル(壁面外装)、ジンバブエ黒(黒)、花崗岩(白)
・金子 潤 《流動》、《色筥》、《今》、《花》 2016 陶器、釉薬
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